不動産投資を始める人が増えていますが、扱う物件は人によって異なります。家賃収入を得るための投資というと、マンションやアパートをイメージする人が多いでしょう。
しかし、実際には戸建てを賃貸物件として投資に使う人も少なくありません。なぜなら、戸建てならではのメリットが多くあるからです。その一方でデメリットもあるので、両方を把握したうえで判断することが大切です。
基本的なメリットとして人気の高さが挙げられます。人気の高い物件というと、駅前のアパートやデザイナーズマンションを挙げる人が少なくありません。確かに交通の便や見た目が良いことも、住みたいと感じさせる大きな要素であるのは間違いないです。
しかし、それらとは別に多くの日本人が抱く昔ながらの感情があります。それは可能であれば、戸建てで生活したいという願望です。現代においても、マイホームを建てることに憧れを抱いている人は大勢います。
戸建てを豊かさや幸せの象徴として認識している人が多いのです。また、小さい子どもがいる場合、集合住宅で暮らしていると、階下の部屋から苦情を受ける可能性があります。
走り回ると足音が下に響いてしまうケースは珍しくありません。住民トラブルの中でも、騒音に関するものは非常に高い割合を占めます。あまりに険悪になると、引越しせざるをえない場合もあるのです。
マンションやアパートを使う限り、覚悟しておかないといけない問題です。そのような住まいより、のびのびと暮らせる戸建てに憧れを持つ人が多いのは当然といえます。こういった理由により、交通の便や見た目が特に優れていなくても、安定した人気を保ち続けることを期待できます。
いったん入居者が決まったら、長期的な収入を見込めることも大きなポイントです。ワンルームのアパートなどは、出入りが盛んなのが一般的です。一人暮らしの人が身軽で引っ越してきて、仕事の都合などですぐに出ていくことは珍しくありません。そのため、その部屋しか投資している物件がなければ、収入はよく途切れることになるでしょう。
それに対して戸建ての場合は、短期間で出ていくことは、よほどのことがない限りありません。たいていの場合はファミリー世帯が住むことになり、そこを生活圏として活動していきます。
ご近所と人間関係を構築していきますし、子どもがいれば近くの学校に通うでしょう。そのため、気軽に引っ越すようなことはなく、余程の事情がない限り暮らし続けてくれます。すなわち、安定した家賃収入を見込めるということです。
基本的に掃除が不要なことも、投資家としてはありがたい要素です。マンションやアパートは定期的に清掃を行わなければなりません。
もしそれらのオーナーになっており、自分の手で行うのであれば、かなりの負担になってしまいます。一般的には管理会社に依頼することになりますが、当然無料というわけにはいきません。
頻度などに合わせて、料金を支払う必要があります。家賃収入から天引きされる方式になっているところも見受けられます。それに比べて、戸建ての場合は、基本的に清掃のことを心配する必要はありません。
なぜなら、入居している人がしてくれるからです。たとえ賃貸の住まいであっても、生活するうえで行うことはマイホームの場合と大差がありません。妻が毎日掃除をする家庭もあれば、定期的に夫婦で協力して行う家庭もあるでしょう。
いずれにせよ、オーナーが関与しなくても大丈夫ということです。面倒なことが苦手な人や経費をなるべく節約したい人にとって、非常に大きなメリットといえます。
デメリットとしては住宅ローンの存在が挙げられます。家賃収入がある場合は、そこから住宅ローンを支払っていくことも可能です。しかし、入居している人が出て行った場合、自分の貯金から支払うことになります。
アパートやマンションのオーナーであれば、一世帯が出て行ったぐらいでは大きな問題ではありません。他の部屋からの収入で十分にカバーできる可能性が高いからです。しかし、一世帯しか住めない戸建ての場合はそうはいきません。貯金を切り崩していくのが大変で、売却を検討するような事態になる恐れもあります。
また、リフォームが大掛かりになりやすいのもデメリットの一つです。一般的に戸建てはの延べ床面積が集合住宅の一室より広いです。トイレが2つあるなど設備も多いのが一般的になっています。
老朽化によってリフォームの必要性が生じたとき、手直しする部分が多いということに他なりません。投資用に中古物件を購入した場合、最初のリフォームに予想以上の費用が発生することも十分にありえます。
たとえ物件の価格が安くても、総額が経済力を上回るほど多額であれば資金難に陥る可能性が高いです。すぐに家賃収入を得られるならフォローできますが、入居の希望者がなかなか現れないと赤字が膨らむ一方になります。そのような事態に陥る可能性も視野に入れておく必要があるのです。
